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先日、高知でもらった竹簡に実際に文字を書いてみた。
今回のこの実験、得ることが非常に多かった。 実際に書いてみて、なるほどと思うことだらけ。 木簡(竹簡)に書かれている隷書体がああいった形(※) をしているのには、理由があった事を体感したのだ! (※)字体が扁平、横画が細い、縦画が左に流れる。 まず最初に、墨。 通常使っている墨汁でトライしたところ、 粘りが弱くこんな感じに… 運筆のスピードという問題でもなさそうで、 なんかマジックで書いて滲んだようになってしまいNG。 少量の墨汁を一晩放置して、濃度を高くすることで解決。 (後で聞くと、一般的には膠を入れて粘度をあげてやるらしい) 次に筆。 細くて繊細な横画と立派な波磔(ハネ)を見ていると、 割と長い穂の筆をイメージするので、それで書いてみたが、木質の繊維の抵抗にあい、 まったくだらしない線しか引けないことが発覚! 腰のしっかりした寫巻がいいようだ。 さて、 いよいよ書いてみると、 最初は、なにせ初めてなので、探り探りやっていたのだが、 あれよあれよという間に要領がつかめてきた。 俺って天才? とも思ったが、 どうやら、必然のようなのだ。 そもそも竹簡もさることながら、 こんなサイズ(幅1cm程度)で隷書なんか書いたことないので、 竹簡に書く前に、紙で練習したところ、嫌になるほど上手く行かなかったのだが、 竹簡に書きはじめた途端、この楽さ! ポイントはこの角度。 体に対してまっすぐ構えていたのだが、 竹簡の端が、お腹にあたってちょっと邪魔なので、ひょいと左に傾けたところ、 ものすごく書きやすくなった。 そればかりか、 横画が少々右肩上がり(一般的に隷書は水平を旨とするみたいだが、木簡ではやや右肩上がり) 縦画が左に流れるという特徴が、 特に意識しなくても自然にそういう線になってくるのである。 というか、 この線が一番楽にかける。 ということなのである。 加えて、横画が細くて揃っているのも納得。 木質の繊維が当然縦に走っているので、横画を引くときには、その繊維とほぼ90度で対峙して山を乗り越えていかなくてはならず、その上、ぐずぐずしていると繊維の谷に沿って縦方向ににじみが出てしまう。 だから、スーッとひかなくては上手く行かないので細くなるんだろう。 でもって、全体の文字の意匠バランスをとるために 最後の方に豪快な波磔で見せ場を演出。 ってことだな、たぶん。 また、幅の細い木簡(竹簡)に書くと、窮屈なのでタテに長い字になりそうな気がして、 おまけに、繊維がタテに走っているので、縦画はいきおいズーンと豪快に引けちゃいそうで、 だとすると実際の字が扁平傾向なのが解せなかったが、これも解決。 今回3本だけ頂戴した竹簡に書いていてわかりました。 だって、もったいないもん! 沢山字を入れなければと思うと扁平にもなりますわな。 この考え、間違ってはいないと思いますが、 おそらく、実際のところは役所などで公文書で使われたことも多かったろうことから、 コスト削減って面はもちろんのこと、 かさばってしょうがないので…という面が強かったんだろうと。 いや~。 それにしても、面白かった。 竹簡を快く下さった竹虎さんにあらためて感謝です。 ちょっと、この方向で練習してみて、次回の展覧会の臨書は、 これでやってみるってのも面白いかも。 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 「亀甲会」主宰 加藤光峰氏とは 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
by micasa2
| 2011-12-17 18:44
| 亀甲会(古代文字)
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