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来春の上野の森美術館でやる亀甲展用の作品がついに完成。
今回は落款印だけでなく 遊印ってのを作ってみることにした。 遊印とは、縁起のいい言葉や、お気に入りの格言とか… 自分の好きな文言を掘った、どこに押してもいいハンコのこと。 ま、この余白に朱いの入れて締めたいなとか、 作品のワンポイント用って感じかな。 とはいえ、あらたまって好きな言葉、縁起のいい言葉といわれてもねぇ~ 散々考えたあげく、 好きな物ってことで、「カエル」を使ってなんとかアレンジしてみることに。 まず、ストレートに「蛙」を調べると、甲骨金文では「黽」 どうしても「蠅」を思い出しちゃうあんまりうれしくない形。ボツ。 次に、カエルの別名とか言い換えってなんかないかと、ググってみたところ、 「田鶏」「山鶏」 っての発見。 中国では蛙をよく食うので、田のニワトリ。(ディエン・ジー) また種類が違う希少でより美味なのを、山のニワトリ。(サン・ジー) というそうな。 (山のニワトリって…行って来いでもとの普通の鶏に戻ってるやん!) 鳥系の字はバリエが多く、面白くアレンジできそうだし、 複雑な形の鶏に対して、田と山がシンプルでメリハリが効きそう。 さらに、田という字形は、田んぼの区画から来てるので、 いくつもの変形バージョンがあり、そのひとつに曲って字に似てるのもある。 作品本体が「曲則全」なので、その形の呼応が面白いかもと、ピンと来たわけ。 完成品はコレ。<実物大> 翌日、表具屋に作品を納品ってタイミングで彫り始めたので、 正味一日でこの大きさの朱文(=彫るところが多い)はしんどかった。 先生にも朱文で作りますって豪語した以上、後に引けないし。 さすがに手は腫れて、後半は握力ゼロ。 夕飯の箸が持てなかったほど。 最下部は、全部抜いちゃうと、白っぽくなって締まらないかと思い、 彫らずに残しておいたのだが、ただの塊ではつまらないので、 「RANA」=スペイン語でカエル と入れてみた。 (調子に乗って撃辺してて、Rのところ、おっ欠いちゃってますが) 実は、この「RANA」、 キリンビールのラベルの麒麟の絵に「キ」と「リ」と「ン」が隠されているように、 もとのデザインには、個々の字の部分の形状を生かして たとえば山の稜線を使ってN、トサカを使ってAとか、 アルファベット4文字を埋めておいたのだが、 彫ってるうちにすっかり忘れて、彫り落としてしまっていたのだった。 え? 本体の作品? 今、表具屋さんで額装中。 偉そうに、もったいぶっちゃいますけど、 来年の一月本展まで内緒ということで。 ぜひ、上野の森までお越しくださいませ。 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 「亀甲会」主宰 加藤光峰氏とは 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
by micasa2
| 2010-11-04 01:11
| 亀甲会(古代文字)
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