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先だっての栃尾又温泉の帰り道、
越後妻有アートトリエンナーレ2012が開催中だったので、立ち寄ることに。 お目当ては、最新作じゃないけど(2003年作品) 『 Green Vila 』 たほりつこ氏 ガイドブックで見る限り、モチーフは古代文字と思われる。 ![]() ![]() ![]() ちょうどゴルフのショートホールくらいの斜面に いかにも古代文字らしき オブジェクトが散在する。 個々の部品単位では認識できるが、 下から登っていっても 全貌はつかめない。 斜面を登りきると、作品案内があった。 <案内からの写し> グリーン ヴィラ たほりつこ(日本) 上空から全容を見る緑の地上絵。それは宇宙へ向かってのメッセージである。 作家はこの地の風景から、<山を守り、野を拓き、川をみちびいて、青空に栄える黄金色の秋、農と技と大地に潜む、笑う人々の縄文的エネルギー>を感じ、それを象徴する5つの重要な言葉の象形文字を選び地上絵とした。この緑の地上絵から子供たちが宇宙とのつながりを感じ、この地に生きる精霊たちとの交感をまなび、遊びを創り出す場となることを作家は期待している。 なるほど、大地いっぱいに文字の原初のカタチを展げて、 天(自然)へのメッセージとするということかな? この空間を歩くことで、その作者の意図は感じ取れ、 ロケーション空間ごと十分楽しめました。 ただ、歩き回っているうちに、だんだん字形と全体像がわかってくると、 ちょっと残念な感じも受けました。 それは、 あえてありがちな現代美術評論風に言えば、 ”その素材となった象形文字は、 その要素が一旦分解されバラバラのオブジェクトとして再構成される・・・” といった感じで表現されるアプローチなのだとは思いますし、 もちろん作家さんの意図も僕には知り得ません。 ただ、いやしくも素材を古代文字にとったのであれば、 文字としての敬意を表して使用して欲しいと、 文字を学ぶ者として、感じた次第です。 題材とされている文字は、「山」「川」「農」「藝」「申(神)」 (以下は私ができるだけ原型に忠実に書いた全体俯瞰想像図) ![]() 左列は縦で一文字「農」 中央は上から、「山?」「川」「申(神)」 右列が縦で一文字「藝」 残念ながら「山」はどう見ても「火」 ひょっとしたらあるのかも・・・と帰宅後改めて調べましたが、見当たりません。 誤字のようです。 農の下部の辰は、元の意は、ハマグリの形ですが、ここまでデフォルメしてしまうと・・・ パイナップルの缶詰?あるいは単なる幾何学文様のようです。 最も残念なのは、「藝」の字。この字は、最後まで判別できなかった。 本来ひとつの文字の要素であるはずのものが、縦にバラバラに配されていた為だ。 最も文字の根幹の意味を成す、「蹲踞した人が、両手で苗木を押し抱く形」部分が、 両端に泣き別れになっており、さらにその蹲踞した人を、おそらく人とその両手であることを理解されないまま、記号として加工されてしまった故であろう、意味のわからない形状になってしまっている。 自分でも、いやいやそうは言っても作者の自由だからね・・・ 盛土で構成するにあたり、かなりデフォルメしないと技術的に厳しいだろうね・・・などとは思うものの 古来、神(=自然・天)との交信のために作られた神聖な文字を、 ”宇宙へ向かってのメッセージ”と称するテーマの作品の素材に選んだのなら、 もうちょっと、敬意を表して欲しかったな~と感じた次第です。 偉そうに、失礼しました。 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
by micasa2
| 2012-09-10 21:11
| 亀甲会(古代文字)
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